「人事評価制度導入の目的」
医療法人K様は、院長医師以下スタッフを含め20名規模の医療法人でこれ迄は人事評価制度に基づいた評価を行っていなかったが、看護師等スタッフの離職率を下げ、貴重な人材に定着してもらうことを目的に人事評価制度の導入を決意しました。
「導入した評価制度と効果」
中小医療法人では、人事評価制度を導入していないケースが多いですが、その理由は少人数スタッフの為、評価の必要が無いと感じる場合や、看護師やスタッフに辞められしまっては困るといった後ろ向きの理由からであることがほとんです。
医療法人K様は、今後の事業展開を考えたうえで医療法人の長期的なビジョンを一緒に見ていくことが出来る人材を増やしたとの思いがあり、人事評価制度は、法人の理念とスタッフ達自らがやりたいことを擦り合わせ、一緒にキャリアイメージを作っていく為の必要ツールとして人事評価制度を位置付けました。評価制度の内容は、医師以外の医療スタッフの業務評価を中心に職能等級制度を1段階から5段階までに区分し作成しましたが、評価項目はなるべく少なく日頃実際に行っている業務内容を中心にすると共に達成内容は出来るだけ簡単で分かり易いものとしました。
制度導入当初は、現場スタッフからは、かなり強い不安を示す声が多く「何を評価されるのか」、「現場の仕事をどれだけ知っているのか」など反発が強く起きました。恐らく評価という文字が独り歩きをしてしまい不安が先行してしまったせいであった為、評価者達に人事評価は、評価だけが目的ではなく、お互いにどんなことをしていきたいかという未来を擦り合わせる作業であることを伝えスタート致しました。人事評価を導入してから約2年経過しましたが、現在では半期に一度スタッフ全員が各々の目標を設定してもらい、その進捗度合いを所属長との面談で評価していく方法を採用し、順調に進んでいます。