昨年秋の総務省の発表によれば、基幹統計としてのフリーランス人口は257万人で、派遣社員人口の149万人を上回るなど、フリーランスという新たな働き方が拡大しています。こうした環境の変化を受け、フリーランスの環境整備を目的として、2023年4月に可決成立した「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス新法)は、2024年秋の施行に向けて準備が進められているところです。
人材採用難がより深刻な状況になっている現在、特に高い専門性や知見、スキルをもつ人材獲得の切り札として、企業におけるフリーランス活用への期待も高まってきています。一方で、実際にフリーランスと取引する中で、労務上どういった点に留意すべきかがわかりづらく不安を抱えており、人手不足に悩みながらもなかなかフリーランスの起用に踏み切れないという企業の声も少なくありません。
そのような中、先般、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下「フリーランス協会」)は、フリーランスの労働者性の判断基準や要注意事例を整理した「偽装フリーランス防止のための手引き」を制作・公開しました。同手引きには、業務委託と雇用の違いや、フリーランス取引に適用される法律の整理、労働者性の判断基準と要注意事例集に加え、発注者・仲介事業者に向けたフリーランスの稼働報告・把握の仕方のフォーマット例や偽装フリーランス防止のためのチェックリストが掲載されています。
フリーランス協会は、この手引きを、フリーランスと取引をする事業者(発注者・仲介業者)の社内コンプライアンス教育にも活用してほしいと呼びかけています。