各種メディアでも大きく取り上げられていた雇用保険の被保険者の適用拡大等が含まれた「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されました。その概要は以下の通りです。

1.雇用保険の適用拡大

雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する。

2.教育訓練やリ・スキリング支援の充実

①自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする。(自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2か月としているが、1か月に短縮する。(通達))

②教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる。(教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する。(省令))

③自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。

3.育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保

①育児休業給付の国庫負担の引下げの暫定措置を廃止する。

②育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%→0.5%) 、保険財政の状況に応じて引き下げ(0.5%→0.4%)られるようにする。

4.その他雇用保険制度の見直し

教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%→60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する。

なお、育児休業給付金の上乗せである「出生後休業支援給付」と、育児短時間勤務制度を利用したときの所得補てんである「育児時短就業給付」は、別の法案として提出されることになります。

5.今回の雇用保険改正案から見える特徴について

今回の雇用保険改正案の概要から以下の特徴が考えられます。

①今後の雇用保険財政を見越したうえで雇用保険の適用拡大の為に週所定労働 を20時間以上から10時間以上に狭めることでパートやアルバイト雇用にも 適用を大幅に拡大したこと。

②給付制限の内容を変更し、積極的な自己啓発に対してかなりプラスになる給付を用意していること。